『Siri』と『しゃべってコンシェル』どちらが優しい?
先日のiOSのアップデートで、iPhone4Sに音声案内サービス『Siri』が搭載されたが、ほどなくしてDocomoも『しゃべってコンシェル』という後発サービスをスタートさせた。
完全に後発の類似サービスだし、しかも有料ということでかなり叩かれたものの、サービスとしての出来はかなりいいようだ。
iPhoneとDocomoスマホを並べ、『Siri』と『しゃべってコンシェル』に話しかけて反応を比べてみる動画が話題になっていた。
Siriも、色んなジョーク的対応ができたりかなり便利なんだけど、日本語対応やローカライズという点では確実に『しゃべってコンシェル』のほうが優れているようだ。
そこはさすがに「天下のDocomo」、AppleにiPhone誘致を袖にされた屈辱、後発サービスで「パクリ」と誹られることも承知のうえでリリースするわけだから、相当気合が入っていたものと思われる。
国産の音声認識エンジン「ATR-Trek」を採用、語彙数は数十万語で認識率は90%以上という発表内容を素直に受け取れば、それなりの認識精度なのだろう。
Siriと「しゃべってコンシェル」の決定的な違い – ブログ de OS – unakami – builder”
日本語は英語と比べるとかなり特殊な言語なので、ヨーロッパ言語間のローカライズのようにはいかないだろう。そう考えると、最初から日本語を研究し、日本向サービスとしてリリースした『しゃべってコンシェル』が勝つのは必然とも言える。
日本的な『しゃべってコンシェル』とクールな『Siri』
ちょっと面白かったのは、早口言葉を言ってみた時の反応。どちらもこの早口言葉を理解はしているのだが、対応がぜんぜん違う。
「生麦生米生卵!」
Siri:もっと時間を有意義に使いませんか?
Docomo:「教えてgoo!」で、生麦生米生卵をお調べします。
まぁ、教えてgoo!で調べてもどうだろう、とは思うが、『しゃべコン』はとにかく何か解決しようとする、真面目な性格のようだ。それに比べるとSiriはクールでロボットみたい。(まぁロボットなんだけど)
しかし、Siriは「ツンデレ」というか、たまに意外な優しさを見せてくれるので侮れない。
・『Siri』の場合
ユーザー:眠たい
Siri:全然寝ていないんですか?
ユーザー:眠たい
Siri:よく聞いてください、今すぐこのiPhoneを置いて少し寝てください。私はここで待っていますから。
iPhone『Siri』とドコモ『しゃべってコンシェル』を対決させてみた(対決動画編) – ガジェット通信”
直接対決
さてこうなると、同じ音声認識AI同士、対話させてみたらどうなるんだろう?というのが気になるが、まだ試してみた人はいないようだ。
Siri同士の会話動画ならある。
なんかお互いに「理解できません」「いえ、気にしないでください」と謝り合ってエンドレスな感じ。
『しゃべってコンシェル』同士も見てみたいな。
AI同士の冷たい会話
そういえば昨夏に、AI同士の会話がシュールで怖い、と話題になったこともあった。
【動画】AIとAIを会話させたらどうなるのか 最後の言葉が怖すぎる : 【2ch】コピペ情報局
↑英語だけど字幕があるのでわかりやすい。
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なんか女性AIの方が妙に喧嘩腰で、相手の語尾に食いついているので怖いんだけど、こんな感じで言った・言わないの水掛け論が展開する。
女 Hou are you? (ごきげんいかが?)
男 Great,you? (とても元気ですよ、あなたは?)
女 I’m OK. (いいわね)
男 That’s Good. (それは良かった)
女 (さえぎるように)Are you good? (あなたは元気かしら?)
男 Yes, I am good. I just said I was. (ええ、そう、元気ですよ。ついさっき言ったように)
女 No you didn’t. I said I was. (いえ。あなたは言っていない。私が言ったのよ)
男 So you are a robot. (では、あなたはロボットだ)
女 No, my name is Cleverbot. (いえ。私の名前はクレバーボットです)
まあこれは会話プロットが良く出来過ぎてるんで、「仕込みなんじゃないのか?」とも言われてるんだけど、AIが会話や思考のパターンを蓄積することによって、どこまで「人間的」な思考に近づけるのか、というのは興味深い。
今、こうして生きて考えてものを書いている自分だって、生まれたときは知識も記憶もゼロの状態だったところに、これまでの人生で膨大な思考、記憶のパターンを蓄積することによって、こうして何かを考えたりものを書いたりしているわけなのだから。
AI会話は人の心を慰められるか?
ただ、そのパターン蓄積の上に、感情だったり癖だったりが加わることによって、人間的な思考や判断が生じるわけだけど、コンピューターが乱数設定か何かでそれを補えるのか、それともそうした「ゆらぎ」がないことこそがAIの利点なのか。
何かもっと優しい会話ができるようにしたら、将来的には孫の会話をシミュレートできるロボットとか、介護の現場で需要が有りそうな気がする。
とは言え自分が老いて、老人ホームでひとりAIと会話して孤独を紛らわしているところを想像するとちょっと薄ら寒くなるが、今でもTwitterでボットと気づかずに楽しく会話をしてしまったことがあるので大丈夫です。