造語「チンする」9割が使用の報に驚き

2014年9月28日 日曜日

「チンする」っていう言葉がありますよね。電子レンジで過熱するとき、終了音が「チーン」と鳴るからチンする。
まあ造語としてはありがちだと思いますし、「電子レンジで温める」というより短いから、使われる理由は分かりますし、誰かが使ってもすぐに意味はわかります。

でもこの言葉、僕は一度も使ったこと無いんですよね。考えてみると、僕の実家の家族も、妻も「チンする」って一度も使ったことない。だから僕の中では、「テレビの中でだけ見聞きするメジャーな方言」みたいな位置づけ。

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ところが、文化庁が行った調査によると、9割超の人が使うことがあるとか。

「チンする」9割が使用

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「国語に関する世論調査」は文化庁が平成7年から毎年行っています。
今回は全国の16歳以上の男女3473人を対象に行われ、このうち2028人が回答しました。
調査テーマの一つは造語の定着度合いです。
例えば「電子レンジで加熱する」という意味で「チンする」という言葉を使うかどうか尋ねたところ、90.4%の人が使うことがあると答えました。
NHK NEWS WEB 「チンする」「サボる」造語定着

これはちょっと驚いた。みんなそんなにチンしてるんですか?
いや別にこれをもって「言葉の乱れが」とか言うつもりはないんですけど、僕の中では「チンする」って「変な言葉」なんですよね。幼児語みたいな。
あと先述の通り近親者が誰も使ってないのでちょっと意外でした。

ただ、この「変な言葉」と感じるのは、単にこれまで使ってこなかったからかもしれません。ではなんで使わなかったんだろう?と記憶をたどってみたんですが、「我が家にあった電子レンジが『チン』という音を立てなかった」というのがもっとも有力な理由なのではないかと思いいたりました。

調べてみると、電子レンジが発売されたのは1961年、普及率が50%を超えたのは1990年ということですが、僕が物心付いた頃にはすでに家には電子レンジがありました。温め終わると、「ピー、ピー、ピー、ピー」と電子音がなるタイプでした。「チン」はトースターでパンを焼くときの音でした。

「壁ドンする」とか「貧すればドンする」(貧しさに心が荒んで壁を殴る意)みたいに、擬音がそのまま動詞っぽく変化するというのは、日本語ではありがちな造語ですが、みんなそんなにチンチン音がなるタイプの電子レンジばかり使っていたんでしょうかね。
電子レンジが「とっぴんぱらりのぷ~」とかもっと変な音がなる家電でなくて本当に良かったと思います。


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コメント / トラックバック 3 件

  1. 徳保隆夫 Says:

    「貧すれば鈍する」の「鈍する」は擬音由来ではなく、もともと「鈍する」という言葉がありました。

    ちなみに私の幼少期に家にあった電子レンジは盛大に「チーン」と鳴ってました。
    あと、方言かどうかはわかりませんが、「熱々」の状態を少なくとも愛知県では「ちんちん」と表現するので、私は「レンジでチン」はこの意味かもしれないと思っていたりします。

  2. 宮本 Says:

    おお…。まさか徳保さんからそのような…。
    これが僕が変なふうに言葉の意味を勘違いしているから傷つかないようにそれとなく指摘しようと腐心した結果なのか、それともさらに上に重ねた周到なボケなのか図りかねますが、えっとすいません、その箇所はもちろん冗談です。「貧すればドンする」を文字通り「ドンと音を立てる」という意味で使う用例は聞いたことがありません。わかりづらくてすみません。少し加筆しました。

    さて…。
    そうですね、文化庁調べで「9割が使う」という回答結果が得られている以上、チーンと鳴る電子レンジが広く普及していたんでしょうね。この辺誰かに調査してみて欲しいものです。
    「チンチンに」のチン、というのも面白い説ですね。

  3. akoakoty Says:

    うちのレンジもピーピー言うんですが、「ピーする」とは言わない問題、私も前々から考えてました(笑)|造語「チンする」9割が使用の報に驚き

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