Youtuber小学生ゆたぼんよ、不登校は不幸になるぞ
2019年5月11日 土曜日
いささか周回遅れの話だけど、一言言っておきたい。
先週、琉球新報の記事が話題になった。10歳の少年が、「不登校の天才Youtuber」を自称して活躍し、ラジオに出たり芸能人と交流したりしている、というのだ。
「俺が自由な世界をつくる」。自由を求めて学校に通わない選択をした中村逞珂(ゆた)さん(10)=沖縄県宜野湾市=が「少年革命家 ゆたぼん」と名乗り、ユーチューバーとして活動している。大阪生まれ、沖縄在住のゆたぼんは「ハイサイまいど!」で始まる楽しい動画を提供しつつ、いじめや不登校に悩む子や親に「不登校は不幸じゃない」と強いメッセージを発信している。 ゆたぼんが学校に通わなくなったのは小学校3年生の時。宿題を拒否したところ、放課後や休み時間にさせられ不満を抱いた。担任の言うことを聞く同級生もロボットに見え「俺までロボットになってしまう」と、学校に通わないことを決意した。現在も「学校は行きたい時に行く」というスタイルを貫いている。 「不登校は不幸じゃない」 10歳のユーチューバー、中村逞珂さんが世界に発信 /沖縄 – 毎日新聞この件、炎上以来1週間でずいぶんとネット探偵たちの調べが進んでいて(といっても関係者が全員ネットでいそいそと情報発信に勤しんでいたので検索するだけで芋づる式にザクザク情報が見つかる)、どうやら父親の自称・心理カウンセラー(無資格)がプロデュースしていて、キンコン西野あたりに心酔していて、最初は長女を使おうとしていたが決別したので一人だけ大阪に置いて来ていたりと、いろいろと香ばしい話なんだけど、まあその辺の裏事情はどうでもいい。暇と興味のある人はググって調べてください。 「不登校は不幸じゃない」というのがキャッチフレーズだが、ゆたぼんよ。あえて言おう。不登校は不幸への道に他ならない。世の中には不登校の児童は沢山いて、文科省によると、小学校の不登校児童数は3万5032人(平成29年調べ)で、年々増加しているそうだ。その背景には、イジメや病気など、色々な理由があるだろう。そういった児童が、無理なく学校に戻れるような環境が整ってほしいと切に思うし、学校に通えなかったとしても、子供が「不幸」にならないように、代わりに教育や社会性を学べる場を、親が見つけてあげてほしいと思う。 そういう意味では、不登校の子どもたちに「不登校は不幸じゃないぞ」とエールを送る意義はあるかも知れない。しかしな、理由が「宿題をやるのが嫌で」ってのはないだろう。 父親はこれを口実にネットで売名行為をさせようとでも思ったのか。ふざけるな。親だったら、子供が「宿題やらなかったら先生に叱られたから、学校行きたくない」なんてふざけたことをぬかしたら、「甘ったれんな!」と叱り飛ばすなり、宿題を見てやるなりして、サポートするのが務めだろうが。 小学校は、義務教育である。これは、親が子に教育を受けさせる義務があるということだ。国土に限りがあり、資源も少ない我が国では、質の高い教育によって国民の能力を高めておかなければ、国の産業構造を維持できず、子孫の世代に豊かな日本を残すことができない。徳川300年の治世も、明治維新の軌跡も、日清・日露・大東亜戦争の活躍も、高度経済成長も、すべてこの、日本の高い教育水準がなければ達成し得なかった。 父親は、子供を客寄せに使って講演会で金儲けをするような下衆なマネをせず、子供を学校に返してやれ! 学校は宿題、勉強をするだけの場所ではない。運動会で友達と共に汗を流したり涙したり、修学旅行や遠足に行ったりして、友情や社会性を学ぶ場でもある。ノートに落書きをして見せあいっこしたり、通学路で珍しい虫を見つけたり、永遠に続くかと思われるほど長い夏休みに、セミを求めて炎天下を駆け回ったり、夏休み明けに久しぶりにあう隣の席の女の子が急に大人っぽく見えてドキドキしたり、そういった何気ない子供の日常を、後から思い返せばかけがえのない少年時代の思い出を、親のエゴや欲で奪おうとしている自覚はあるか? 俺は茂木健一郎とかの大人にちやほやされる体験より、小学校時代の普通の思い出の方がよっぽど得難いものだと思うがね。
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